イタリア旅行で世界遺産を訪れて勉強した経験をもとに、
徹底的にイタリアの世界遺産を通じて改めて歴史や文化を学ぼうと思い、制作しました。
ナポリは、イタリア第三の大都市で、カンパニア州の州都です。
かつてゲーテが「楽園」と呼んだこの町は複雑な歴史を辿ったことから、独特の景観美を持っています。
そして、そのような歴史を物語る数々の建築物が現在も残り、これらが世界遺産に登録されました。
ナポリを創建したのは、ギリシャです。
紀元前470年に殖民都市ネアポリスを築き、これがナポリの前身になります。
ナポリは4世紀になるとローマ帝国の支配下になりますが、ローマが東西に分裂したことを機に東ゴート王国の支配下に置かれます。
その後もビザンティン帝国の一部となりましたが、763年にはナポリ公国を建国。
しかし、国はノルマン王朝によって滅ぼされました。
その後も支配者はシチリアのアンジュー一族、スペインのアラゴン王家と代わり、15世紀終わりからは度々フランスの支配下に置かれ、更にスペイン、オーストリアの支配を経て、1799年にはフランスのナポレオンによってナポリ王国が築かれます。
1860年、イタリア半島には統一イタリア王国が誕生し、ナポリはイタリアに編入され、現在に至ります。
このように、ナポリは多くの民族から支配された歴史がありますが、異文化を絶えず取り込むことで独自の文化形成をしてきたので、町は非常にエキゾチックな美しさを持つようになりました。
現在、世界遺産に登録されている構成資産も、古代のものから近代のものまで様々です。
ナポリには波乱の歴史があったので、その時々に応じて建物の建築様式は様々です。
また、スペイン王家が支配したあとフランス王家が改築したりという、支配者による好みや用途によって同じ建物でも何回か造り替えられているものもあります。
ナポリで最もメジャーなスポットにある建物は、主に中世~近世にかけて建築及び増改築されたものです。
ナポリの守護聖人・サン・ジェンナーロを祀った礼拝堂を持つ大聖堂は、14世紀初頭に完成しましたが、1876年には正面部分がネオゴシック様式に改装されました。
中は豪華なバロック様式の装飾が施されており、礼拝堂の、色彩の絶妙なコントラストを織り成す色彩フレスコ画は大変見事です。
ナポリの王宮は、スペイン国王の発案で1600年に着工、1602年に完成しました。
しかし実際にこの建物を活用したのは、その後、ナポリを支配したフランス・ブルボン王朝です。
ここには、イタリア三大歌劇場であるサン・カルロ劇場があり、そこもまた息をのむ美しさです。
ナポリには、これらの中世・近世に建築されたものだけでなく、古代ギリシャ・ローマ時代に造られた地下都市も残されています。
この地下都市は、紀元前5世紀~紀元7世紀のギリシャ及びローマ遺跡で、現在は観光客を受け入れるために整備されています。
ナポリは古代から現代までの移り変わる歴史をそのまま保存し続けるところが大変大きな魅力です。