イタリア旅行で世界遺産を訪れて勉強した経験をもとに、
徹底的にイタリアの世界遺産を通じて改めて歴史や文化を学ぼうと思い、制作しました。
大都市ナポリから北へ25kmのところにある都市・カゼルタには、ナポリ王カルロ7世の命で建築家ヴァンヴィテッリによって造られた王宮や水道橋、邸宅群があります。
これらは、1997年に世界遺産に登録されました。
カルロ7世が王位に就いていたのは、18世紀です。
1752年、カルロ7世はヴァンヴィテッリに、ドイツのシャルロッテンブルク宮殿をモデルにした、フランスのヴェルサイユ宮殿よりも壮大な宮殿の建築を命じました。
その期待に見事に応えたヴァンヴィテッリによるカゼルタ宮殿は、バロック様式の美しい建築物です。
宮殿面積は45,000m2、1200部屋を持ち、更に王立図書館や劇場などの施設も完備されていました。
宮殿には300以上の滝を持つ庭園がありますが、そこに水を供給するために新しい施設が必要になりました。
そこで、ヴァンヴィテッリはローマの水道橋を手本にした水道橋を建設したのです。
この水道橋は、周辺の山々から「カロリーノ」と呼ばれる水道管で水を引くためのもので、全長は38kmあります。
この水道橋からの水は、繊維工業で発展したサン・レウチョにも供給されました。
サン・レウチョは、元々カルロ7世が王家専用の狩場を作った場所で、18世紀~19世紀には製糸・織物工業でヨーロッパの最先端を行く場所になっていました。
その発展に、ヴァンヴィテッリの建築は大いに貢献したのです。