イタリア旅行で世界遺産を訪れて勉強した経験をもとに、
徹底的にイタリアの世界遺産を通じて改めて歴史や文化を学ぼうと思い、制作しました。
「アルベロベッロのトゥルッリ」とは、プーリア州アルベロベッロにある、三角錐の屋根と白壁が個性的な住宅群のことです。
ユニークなトゥルッリが立ち並ぶその光景はとても可愛らしい印象です。
アルベロベッロは、その土地独自の建築様式で発展を遂げた町として、高く評価されています。
トゥルッリが生まれたのには、地元農民たちがすぐ壊し、すぐ建て直すことができる住宅を必要とする特殊な事情がありました。
15世紀末、町を支配していたナポリから税務調査官のアクアヴィーバ伯爵がやってきて、家の数によって税金を決め、農民からお金を巻き上げていました。
そして農民たちは、いつしか税金対策の一環ですぐ取り壊せる家を築こうと思うようになりました。
思考錯誤の末に生まれたのが、トゥルッリです。
トゥルッリは石灰岩を積み、壁を石灰で塗るだけのきわめて簡素な構造をしています。
階数も1階建てのものが殆どです。
しかし彼らは生活の中で合理性も身につけていて、例えば円錐形の屋根から雨水を取り入れ、それを貯水槽に貯める仕組みなどをうまく盛り込んでいました。
屋根はペンキで塗らない代わりに、魔よけや宗教的な意味を持つ絵柄を施しました。
各家ごとに違った絵柄の屋根があるのがまたユニークです。
世界遺産に登録されてからは観光客が一気に押し寄せるようになり、彼らはみな町の不思議な光景を堪能しています。