イタリア旅行で世界遺産を訪れて勉強した経験をもとに、
徹底的にイタリアの世界遺産を通じて改めて歴史や文化を学ぼうと思い、制作しました。
イタリア半島最南端に近いマテーラという町には古くから多くの洞窟住居があり、これらは世界遺産に登録されています。
現在も活用されている洞窟住居、実はその紀元について明確には分かっていません。
判明している最古の歴史は、8世紀~13世紀に人が集まってきて洞窟を掘った、ということです。
その時代はイタリア半島でビザンティン帝国が猛威を奮っており、またイスラム教徒からも攻撃を受け、修道士たちがマテーラに避難してきました。
そして、グラヴィナ渓谷の斜面に洞窟を掘り始め、そこに教会などを建立したのです。
洞窟住居は約4,000戸、洞窟教会は130箇所造られました。
渓谷斜面は石灰岩質で、比較的容易に掘り進むことができたのも洞窟増加に繋がりました。
これらの洞窟にはやがて多くの人が集まってきて、16世紀~17世紀にはかなりの人口になりました。
そうすると、洞窟内だけでは居住空間が確保できません。
そこで彼らは、穴の斜面側に住宅部分を増築するようになりました。
こうしてできたのは、手前が居住空間、奥が洞窟という構造のものです。
マテーラは、バシリカータ州の州都として栄えた町でした。
しかし、都がほかの場所に移ると町が衰退し、洞窟も廃墟と化しました。
近年になってその歴史的価値が見直されて復興されるようになり、現在ではその一部に人が再び居住しており、ホテルやレストランなども開業しています。