イタリア旅行で世界遺産を訪れて勉強した経験をもとに、
徹底的にイタリアの世界遺産を通じて改めて歴史や文化を学ぼうと思い、制作しました。
イタリア北部最大の都市・ミラノにあるサンタ・マリア・デッレ・グラツィエ教会と、それに隣接する修道院にはレオナルド・ダ・ヴィンチが完成させたという数少ない作品、テンペラ画の「最後の晩餐」があります。
この絵画を貯蔵する教会及び修道院は、世界遺産に登録されています。
15世紀後半に、地元のスフォルツァ家の命により、サンタ・マリア・デッレ・グラツィエ教会とドメニコ会修道院が建設されました。
そして、ダ・ヴィンチは修道院食堂にある壁に絵画を描くことになったのです。
通常、壁画はフレスコ画の技法を用い、漆喰を塗ったその上から顔料を乗せますが、ダ・ヴィンチはテンペラ画の技法を使いました。
テンペラ画は、植物性油や卵に顔料を溶き、板やキャンバスに描いていく技法ですが、こちらのほうがフレスコ画よりも大幅に時間の短縮ができ、色彩も豊かになります。
ですから、ダ・ヴィンチはテンペラ画の技法を選んだのです。
しかし、テンペラ画は温度や湿度の変化に弱いという欠点があり、また食堂という非常に温度・湿度ともに変わりやすい場所に置かれたため、ダ・ヴィンチの作品はすぐに傷み始めました。
20世紀初頭までに数回の修復作業が行われましたが、1977年~1999年に女性修復士のブランビッラが上塗りと汚れを全て落とす洗浄作業をし、現在最も良い状態になりました。
この絵画は、現在は事前予約のみで見学が可能です。