ヴァル・ディ・ノートの後期バロック様式の町々

ヴァル・ディ・ノートの後期バロック様式の町々(世界遺産登録:2002年)

シチリア島南東部に、かつての行政区分で「ヴァル・ディ・ノート」と呼ばれていた地域があり、この地域の全8都市が、世界遺産に登録されています。

ヴァル・ディ・ノートは、1693年1月にエトナ山周辺で起きた大地震で甚大な被害を受けました。

町々は、ほぼ壊滅したのです。

当時のイタリアには都市国家が乱立していて、全体を統一する中央政府が存在しませんでした。

ですから、国を挙げた町の復興は不可能で、自分たちで何とかしなければならなかったのです。

そこで立ち上がったのは、地元の貴族たちです。

彼らと地元住民が一致団結して町の再生に取り掛かり、およそ100年かけて、それを成し遂げました。

再建された町々は、見事なバロック様式で統一され、その驚異的な復興力と美しい町並みは、後世に残すに値するものです。

ヴァル・ディ・ノートの8都市は、

  • ノート
  • ラグーサ
  • モディカ
  • カターニア
  • カルタジローネ
  • ミリテッロ・イン・ヴァル・ディ・カターニア
  • パラッツォーロ・アクレイデ
  • シクリ

です。

中でも代表的な都市は、ノート、ラグーサ、そしてモディカといわれていますが、シチリア第二の都市カターニアや陶器の町カルタジローネ、アールヌーヴォースタイルの市庁舎があるパラッツォーロ・アクレイデなども大変美しい町です。

一部の地域には古代遺跡も残っており、バロック建築最高峰の町々と併せて訪れたいところです。

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