イタリア旅行で世界遺産を訪れて勉強した経験をもとに、
徹底的にイタリアの世界遺産を通じて改めて歴史や文化を学ぼうと思い、制作しました。
「アルプス山脈の杭上住居群」は、イタリア、スイス、ドイツ、フランス、オーストリア、スロベニアのアルプス山脈周辺6カ国が共有する世界遺産で、2011年に登録されました。
「杭上住居」とは高床式住居の一種で、湖畔や湿地帯に杭を打ち付けて、その上に居住地を造る構造です。
これらの杭上住居のうち、最も多いのがスイスの56件で、イタリアは19件と2番目に多く、そのほかの国と合わせて合計111件が世界遺産に認定されています。
これらの住居が造られたのは紀元前5000年~紀元前500年頃で、新石器時代から青銅器時代のものです。
この有史以前の歴史については、現在もまだ全てを知るに至っておらず、これらの居住群は、その未知の時代を知る上で重要な手掛かりを多く持っているものと思われます。
既に金や琥珀などの交易路や、カヌーや台車などの運搬作業が行われていた証拠になるもの、またヨーロッパ最古の織物などが発見されています。
また、杭上住居周辺の有機物を分析した結果からも多くの謎が解き明かされています。
この6カ国にまたがる壮大な世界遺産は、スイスの立案によってまとめられたものです。
アルプス周辺諸国がその案に同意し、それからスイス主導でイコモスへ正式申請をし、2011年に世界遺産に認定されるに至りました。
現在も杭上住居群は貴重な史跡として研究が行われており、観光客向けの整備も進められています。