ピエモンテ州とロンバルディア州のサクリ・モンティ

ピエモンテ州とロンバルディア州のサクリ・モンティ(世界遺産登録:2003年)

イタリア北部に位置するピエモンテ州とロンバルディア州にサクリ・モンティ(単数形:サクロ・モンテ)と呼ばれる宗教施設が密集しています。

サクロ・モンテが築かれたのは15世紀頃のこと、その当時、キリスト教の聖地であるエルサレムへの巡礼がエルサレムがイスラム勢力下にあったことで非常に困難になっていて、巡礼の代わりとなる宗教施設が設けられました。

これが、サクロ・モンテです。

サクロ・モンテとは「聖なる山」という意味で、ピエモンテとロンバルディアの山々の上に築かれました。

最初のサクロ・モンテが築かれたのは1491年のことで、ヴァラッロという場所に僧侶のベルナルディーノ・カイミが創設しました。

16世紀の終わりには、芸術家のフェラーリにより彫像やフレスコ画などが加わり、かなり豪華な聖域に変貌しました。

ヴァラッロ以外にもサクロ・モンテは築かれ、世界遺産にはそれらのうち9箇所が登録されています。

その全てが、マッジョーレ湖とコモ湖周辺に集中しています。

これらは、最初は純粋に巡礼地の代替の場所として設けられていましたが、1517年にマルティン・ルターが宗教改革をした頃から、プロテスタントに対抗するための要素が濃くなっていきました。

それでも、宗教施設として大変素晴らしく、また元からあった森林や湖の自然とサクリ・モンティが見事に調和し、美しい景観をつくっています。

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