ヴィチェンツァ市街とヴェネト地方のパッラーディオのヴィッラ

ヴィチェンツァは、建築家のアンドレア・パッラーディオが建築物を手掛けた町で、世界遺産に登録されている物件は全て彼の手によるものです。

イタリア北東部の都市ヴィチェンツァは、紀元前2世紀頃にローマのいち都市として誕生しました。

15世紀にヴェネツィア共和国の統治下に入り、この時代に芸術活動が盛んになりました。

そして、史上初めての専任建築家として活躍したパッラーディオは都市計画を立案し、町を美しく形成していきます。

パッラーディオはパドヴァの粉屋の息子として生まれました。

彼が最初に目指した職業は、建築家ではなく石加工の職人でした。

しかし、後に人文主義者のトリッシノに建築家としての才能を見いだされ、建築家に転向したのです。

当時、建築家という職業はなく、ルネサンスの巨匠、ラファエロやミケランジェロは建築を手がける傍らでほかの芸術活動を行っていました。

しかし、パッラーディオはほかの芸術活動を行わず、建築のみに情熱を燃やしました。

彼はローマ旅行の際にブラマンテやラファエロらの芸術から多くの刺激を受け、その後自分の作品にそれらの影響を投影していきました。

彼が平面図から設計した建築様式は後に「パッラーティオ主義」と呼ばれ、ドイツやイギリスなどで模範とされました。

彼がヴィチェンツァの地で手掛けたヴィッラや市庁舎、宮殿は、現在も多くの建築家の手本とされています。

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