イタリア旅行で世界遺産を訪れて勉強した経験をもとに、
徹底的にイタリアの世界遺産を通じて改めて歴史や文化を学ぼうと思い、制作しました。
イタリア国内に位置するサンマリノ共和国は世界で5番目に小さな国です。
この国は、世界初の共和制国家であり、その確かな証拠となる数々の建築物、遺跡などが評価され、「サンマリノ歴史地区とティターノ山」という名称で世界遺産に登録されました。
現在では君主を置かない共和制の国は数多くありますが、ヨーロッパで始まった共和制は、実はサンマリノを手本にして広がりました。
サンマリノの歴史の始まりは、301年のことです。
石工職人で敬虔なキリスト教徒のマリノが、キリスト教を迫害するローマ皇帝ディオクレティアヌスから逃れ、ティターノ山に登って静かな信仰生活を送りました。
後に彼は聖人化され、サンマリノ(=聖マリノ=サン・マリノ)という都市が誕生したのです。
文献最古の記録によると、9世紀にはローマ法王、ランゴバルド人、フランスの法などを採用した記録が残っており、ティターノ山周辺では既に市民生活が営まれていたと推測されます。
古代から中世にいたるまでイタリアでは都市国家が乱立していましたが、13世紀にはサンマリノも共和制の都市国家になりました。
サンマリノの人々は敬虔なキリスト教徒で、彼らを評価したローマ教皇ウルバヌスは、1631年にサンマリノ共和国を独立国家として認めました。
そして、それ以降現在に至るまで、サンマリノの独立は守られ続けています。
サンマリノ共和国は敬虔なキリスト教徒たちの国で、彼らの信仰生活の中にある2つの教会はとても重要なものです。
一つは、サンマリノ大聖堂。
ここは1835年~1838年に建設されたバシリカで、守護聖人マリノの聖遺物が納められています。
もう一つの重要なキリスト教建築は、サン・フランチェスコ教会です。
1361年に建てられたこの教会には博物館と絵画館が隣接しており、アルベルティ作のフレスコ画「東方三博士の礼拝」がとても有名です。
サンマリノ市民の憩いの場は、リベルタ広場です。
サンマリノ政庁の正面に広がるこの広場の中央には、自由の女神像があります。
「リベルタ(Liberta)」とは英語で「リバティ」、つまり「自由」を意味するもので、自由と民主主義を重んじるサンマリノ市民にとっては、広場も女神像も自分たちを象徴する大切なものになっています。
サンマリノはティターノ山にある要塞都市ですが、そこには「3つの塔」と呼ばれる三峰があり、それらがサンマリノを三重に守る役割を果たしてきました。
チェスタ塔、グアイダ塔、モンターレ塔とそれぞれ名付けられた三塔の中で、特にチェスタ塔は最も高いところにあり、長めも最高にいいところです。
サンマリノ市民は、天然要塞に守られた場所で古くから自由な市民生活を営んできました。
それらを示すものが、町の至るところで見られます。